絵と刀と旅の記録

美術館巡り好きでにわかオタの記録。

6月に行った美術展

・本能寺刀剣展

国広の脇差がよかったなー肌立つけど板目の細かさや切っ先や刀身の大きさもあって上品な感じ。天目茶碗もよかったし、三つ足のかえるも可愛かった。

蛇足だけど御朱印受け付けてくださった方がイケ住(愛想もいい)だったw


春日大社の全て展(奈良国立博物館)

東博春日大社展とほとんど一緒かな?年度末に宝物館でやったからだろうけど刀剣が少なかったのがちと残念…東博では4つの鎧全て見られたし毛抜形螺鈿太刀も実物と復元両方見られたのでちょっと物足りなかったかな


・刀剣展(奈良県立美術館)

月山派の綾杉肌見られた!でも板目の方が多かった感じがする、綾杉肌の需要って少ないのかな…羽黒山に奉納された刀とか波打つ曲線が素晴らしくて好きなんだけどなー


・鈴木春信展(あべのハルカス美術館)

丸い顔に小柄な感じの春信絵、可愛くて好きだなー。春信の絵はもちろん、空摺りでの着物の柄(織りかな?)の表現だとか摺り師彫り師の技術も楽しい。


・関鍛治伝承館

岐阜県立博物館

伝承館でまさか復元蛍丸見られるとは…嬉しい誤算!反りの強い堂々とした姿にどっしりした直刃調の刃文、これ本科は当時相当美しかったろうなあ…どこかからポロっと出てきてほしいもんだ。2階の短刀にえらい綺麗なのがあってこれぞ詰み肌の美しさよって言って回りたくなるくらい。あれは本当によかった…個人蔵って羨ましすぎる。

県立美術館は混んでた!車じゃないと行けないのにと思いつつ帰りにバス並んでる人見かけて頑張るなーと関心(自分は名古屋からレンタカー)愛刀は日野で一度見たことあるんだけど今回じっくり見られて嬉しい。それから明治の作品見るとやっぱり11代目はうまかったんだなと改めて納得。それと美濃刀=荒っぽくて新刀以降みたいなでかいイメージがなぜかあったけど詰み肌で上品なのもあるんだねえ、イメージ通りのももちろんあったけど。都内だとどうしても山城備前見る機会が多くなりがちだから美濃物たくさん見られるのは貴重だった。


竹久夢二展(東京ステーションギャラリー)

誘われて行ったんだがデザイン展みたいな感じで思いのほか楽しい。かなりラフな感じのものや、どことなく寂しいというか暗い感じの絵も描いてたんだね。それと図案集に本興寺さんの紋?(鳥のやつ)が描いてあったけど何か関係があったのかな。


5月に行った美術展

・木島櫻谷展Ⅱ(泉屋博古館)
琳派を意識した屏風中心。草花図屏風が酒井抱一の秋草図屏風を思わせる華やかさと繊細さで好き。

・鏨の華展(佐野美術館)
江戸時代の実用的な意匠が好き。明治時代のものも素敵だけど武具というより美術工芸って感じだ。

初めて酒井抱一を見たのここだったしそのときに惚れた掛物もあったけど相変わらず惚れ惚れ…それから菱田春草の墨と少ない淡色で描く四季の掛物がとにかく素晴らしくて、気温や季節ごとの空気を感じられそう。神坂雪佳の絵も可愛さはもちろんデザインセンスの良さもずば抜けてたし、福田平八郎の筍やっぱり好きだわ

・花鳥礼讃(齋田記念館)
羽毛のふわふわ感や艶々とした感じがリアルで瑞々しい。こまどりちゃんニギコロしたいんじゃー

鏨の華(佐野美術館)

根津美術館での展示から気になってはいたものの仕事の関係で東京・大阪ともに行けずじまいで、やっと行ってきた。

刀装自体は東博はじめ色々な美術展にポツポツ見ていたけど、刀装メインの企画展は刀剣博物館での石黒派の世界以来。当時は刀剣に比べて知識がなくても楽しめる刀装の鑑賞はとても楽しかったなーと思い出しながら三島へ。


実際、足を運んでみての第一印象は「なんか少ないな?」。講演を聞いて知ったのだけど、展示数は大阪が一番多く佐野は特に優品に絞って展示をしたとのこと。というのも、大阪ではどうも客足がいまいち伸びなかったそうで、なんか世間から難しいと思われているようだみたいなことを言っていたような気がする。で、佐野の方はより分かりやすさを重視した展示にしたみたい。


展示は、武具というより根付とかを見る感覚に近かったかな。地透で彫られた狸茶釜鍔のひょうきんな可愛らしさや、木を見て森を見ずを表した象の絵を片切彫(多分)で表した鮮やかな鍔の一見華やかながら気づくとハッとする題材の面白さとか、あーこれ好きってのは結構あったんだけど武具っぽくはない。明治期の拵えとか明らかに技術の誇示と鑑賞を主にしたであろう華やかさで、自在工芸とかの方が親和性高い感じだったし。

あとはいいなーと思うものに片切彫のすっきりしたのが多かったんだけど、江戸絵画の洒脱で無駄のないあの感覚に近いかも。そんなわけで、美術工芸や江戸絵画を見るつもりで行くと結構楽しいけど武具としての刀装具を見に行くつもりだとしっくりこないかも…


そういう面では後藤家の刀装は武具っぽさもしっかりあるんでやっぱり見応えあったなー、一乗作の雪中松柏に銀象嵌の雪が降る静謐な雰囲気がとても好き。と、書き出してみたら結構見てるし楽しんだな自分笑

それから竹内栖鳳との繋がりについては嬉しい誤算だった!まさか絵が見られるとは…しかも個人的にはあまり見たことのない人物画だったので得した気分。栖鳳が下絵を描いた、墨絵のような鴉の鍔も余白をとった無駄のない静寂さがいかにも自分の好きな感じだし、刀身彫刻の下絵を描いた刀の拵えの雀の可愛らしさもとてもよかった。


刀剣関係の展示に行くとどうしても刀メインになってしまうので、刀装をゆっくり見られる機会になって楽しめた。時間と元気があれば刀装もゆっくり見たいんだけどねえ…


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美術館巡りと旅行が好きな自分用のメモです。

にわかオタなのでたまにオタ話が出てくるかも、そして今の会社と仕事が大嫌いなので愚痴も書くかもしれない…なるべく愚痴は書きたくないものです。