絵と刀と旅の記録

美術館巡り好きでにわかオタの記録。

京のかたな展(京都国立博物館)③クラブツーリズム貸切ツアー

後期一発目はクラブツーリズムの貸切ツアーから。

展示替えで、初見の石切丸・骨喰藤四郎他の鑑賞と山形でゆっくり見られなかった信濃藤四郎リベンジしてきた!


鑑賞会は午後なので、午前中は北野天満宮へ。

こっちはこっちで伝統文化とポップカルチャーのコラボ?をやっていたみたい。

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鬼切丸の位置が正面どどーん!から奥になって、ついでに展示位置が下がったせいか写りが綺麗に見えるようになってたのが嬉しい。

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で、午後は慌ただしく京博へ。

まず人気の担当学芸員さんの講演。これまでの講演の感想ツイ等でも見かけた他の分野に比べて日本刀研究が遅れているという現状、今回の企画展のあらましをざっくりと45分。新しい情報だと、宗近と長谷部を裏返して展示しますよとのこと。


鑑賞時間は2時間いかないくらいしかなくて非常に短かったのだけど、申込者が少なくて本当にじっくりゆっくり見られて良かった。後半なんかは室内どころかフロアで数人というレベルで妙にテンション上がってしまった笑

骨喰の物打ちあたりの刃文が非常に乱れて幅もそこだけやたらに広かったのだけど、あれは元々なのか焼け身だからなのか再刃の際にああなったのか気になるところ…信濃はやはり非常に美しく、石切丸もいかにも古刀らしい細身で反りのある美しい姿だった。

ほかに目を引いたのは、国俊の小太刀。詰み肌と直刃、細身の姿が美しくて行ったり来たりしながら何度も鑑賞。今まではあまりの混雑でゆっくり見られなかった吉光以外の粟田口と御番家事のところもしっかり見られたし、後回しにしてた新刀〜現代刀も見てひとまず展示室は全部見られたかな。この展覧会の告知後すぐの頃、酒井抱一の刀〜って情報をどこかで見た気がしていたけど、これについても抱一の兄の刀だということがわかってよかった。調べても全然出てこないから見間違いかと思ってた。


時間いっぱい鑑賞したあとは、はしたてで早めの夕食を取って帰路へ。

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季節の生菓子が栗羊羹だったんだけど、これがすごく美味しかった!あっさりツルンとした羊羹に潰した栗が入ってるんだけど、甘露煮じゃなく茹で栗のほっくりした甘さでしつこくない。生姜麹も美味しかったし、次回お土産に買おうかな。


今回は日帰りかつ限られた時間での鑑賞だったけど、大満足の旅となりました。

京博はもう一度行く予定だけど目ぼしいものは一通り見られたので、最後はざっくり通し見で締めようかしら。



京のかたな展と京都旅(観光雑記)

待ちに待った京博特別展!
このためだけに清風会に入ったといっても過言ではないので、意気揚々と平日内覧会に行ってきた!
仕事?そんなの知りません。

はい。
せっかくの京都なので観光も…というわけで、刀剣にハマってから一度はお参りに行きたいと思っていた光悦寺へ。

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紅葉はまだまだ先そうだけど、そのせいか他の観光客いなくてゆっくり散策してたくさんカメラ遊びもできた。

それから源光庵の血天井見て壮絶な戦を夢想したり庭を眺めて和んだり、常照寺散策したりして建勲神社さんへ。


台風で色々被害があったようで立ち入りできないようになってる箇所もあったけど早くもとに戻るといいなあ…と思いつつ、押形御朱印2種と限定御朱印帳をいただいてきた。

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かたな展でも見てきたけど、福山の展示も楽しみ!以前行ったときに昼食で立ち寄ったお店がとても美味しかったのでまた行けるといいなあ…


そのあとは数年越しに念願のうめぞの茶房へ。京町家を改築したらしいこじんまりとした佇まいとレトロな雰囲気がとても素敵だった!しかも貸し切り!やったぜ!


注文は秋の氷と玉羹セット。

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氷にははちみつとラベンダーのシロップ、その下に汁粉なんだけどこのシロップが香り華やかでとても美味しい!カカオの玉羹は味も香りもチョコなんだけど、チョコと違って後味はすっきりして食べやすいからもっと食べたくなっちゃうw今回は他所で和菓子を予約したから食べないけど、寒くなってきたら玉羹2つとお茶でもいいなー


しばらく休憩しているうちに予約時間が近づいたので、徒歩で北大路の嘯月さんへ。お任せで和菓子を四つお願いした。ええ、一人で四つ食べました。明らかに糖分過多ですwしかも夜にシュークリーム食べたしw

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はえ〜かわいい…

栗きんとんは足が速いと言われたので、行儀悪いと思いながらそれだけ先にビブレで食べちゃったwこの栗きんとん1つじゃ足りないわバケツ一杯食べたい。どれもこれも美味しくて(しかも嬉しいことに粒あんで)ペロッと食べてしまった。4つで1900円なんでちょっと安い、お店の人の感じもいいし近くにあったら毎日1つ頼んでしまうと思う。特に栗の季節は。思い出したらまた食べたくなってきた…


そんなこんなで充実した時間を過ごし、いよいよ内覧会へ。

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いやー量がおかしいねw実質1時間半の鑑賞でまともに見たの数えるほどしかない。とにかく量が多くて見きれない。翌日に5時間ほど滞在してなんとかざっくりは見られたけど、いいもの揃いなので何度も行きたくなる。


翌日は藤森神社さんで鶴丸国永の押形御朱印帳をいただき、その足で石清水八幡宮さんへ。目的はもちろん、麓にある朝日屋さんの鯖寿司です。

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鯖寿司好きな私にとって関西は聖地みたいなもんw脂の乗った鯖が美味しかった…


最近はどこへ行くにも刀剣メインでゆっくり観光したりお茶したり…が疎かになりがちなので、久しぶりにゆっくりたっぷり美味しいものが食べられた気がする。にしても食べすぎだけど。

そして今秋はまだ京都に行く予定があるのでまた鯖寿司が食べられると思うと嬉しい。

京のかたな展(京都国立博物館)雑感

結論から言うと大満足!初日夕方から行ったのだけど、台風の影響もあってだいぶ見やすい環境だったし、初めて見る刀はもちろん何度も目にする刀でも展示時期や環境が変われば見え方も当然変わってくるわけで新鮮な気持ちで楽しめた。短刀の展示方法については色々言われていて自分も確かに見にくいなーと感じたのだけど、それでも流石に国宝重文をたくさん揃えただけあって、展示の見にくさを忘れさせるほどのものさえあったのでさほど気にならないレベル。


・太刀 薄緑

何度も見ているのに、見るたびに好きになる。今までは大覚寺さんの宝物館で寝かせた状態で見てきたけれど、刀掛けにかけた状態で見ると改めてその反りの美しさに溜息が出る。肌よく詰んだ地鉄に直刃調、金筋かかる丁子混じりの刃文に、乱れ写りの華やかな姿。隣の行平と並べて見れば、その反りの強さがより引き立つ。身幅がそれなりにあって鋒も中くらい(ちょっと寸詰まりな猪首っぽくも見えた)なのでどちらかと言えば力強さが勝りそうなのに、優美な雰囲気を失わないのは弧を描くような強い反りの姿と地鉄の品の良さがためなのかなと思う。

推しキャラのモチーフという色眼鏡を差し引いても、品がよくて好きな太刀の一つ。


・太刀 豊後国行平作

永青文庫の行平をきっかけに刀剣鑑賞にはまった身としては、行平は特別な思い入れのある刀工。なので、今回の特別展の目録が発表されてから特に楽しみにしていた刀の一つ。

一目見て、ああ好き。刀工を見て納得。刀身彫刻が埋没?しているのが気になったのだけど、図録によると研ぎ減りとのこと。それでも重ねはしっかりとしていて、当時はもっと存在感のある豪壮な姿だったんだろうなあ…冴えた地鉄は青白く輝いて、全体に行平らしい筋雲のような柔らかい写りが立ちどこから見ても楽しめる。刃文には金筋がかかり華やかで清涼感のある腰反りの低い姿。

限られた期間だけの展示にするのはもったいないくらいで、たくさんの人が行平の美しさを知ってくれたらなあ…と思う。(だからって三日月宗近みたいに混雑して並ぶのは嫌だけどw)


・短刀 前田藤四郎

前田育徳会所蔵ということで次がいつになるかわからない以上絶対に見なくてはと思っていた短刀(大典太はいつ見られるかな…)。初めて刀を意識して見たのがこの短刀で、このためだけに金沢へ行ったのが懐かしい。当時は「これが刀かー全然わからんw」というのが正直なところなので、肌が詰むのはもちろんだけど板目流れて杢目混じるとか他と比べて地鉄そのものがさっぱりと白っぽいとか(立花さんの吉光とか濃くて深い)そういうことがわかるようになった自分の成長を感じられたw綺麗な細直刃はいかにも山城系なんだけど緩やかなカーブが鋒から刃区まで続いてそこから今度は振袖茎になるアーチ状の姿(反りはない)が他の吉光の短刀と印象が違って面白い。


他に気になったのは、国村の太刀と国永の太刀。それと菊御作のフロアも華やかな刃文や乱れ写りが美しい備前物の太刀が複数あって楽しかった。あと国俊!夏に徳美で見た孫太郎と鳥飼があったのだけど、そこではどちらもあまり感動がなかったのでこれこんなに綺麗だったっけと驚いた。それから宗三左文字。戦国時代展でも見てはいるけど、今回予想外にじっくり見られた。鍛えは美しく、身幅広く沸の強い凛としたのたれの刃文でずっしりと重量感のある感じがかっこよかった!


前期中にもう一回は行けそうなので、一日中居座って次は来派と菊御作をじっくり見ようかな

藤田嗣治展(東京都美術館)

行ってきた!×2

開催前からかなり興味を引く画家だったのだけど1回目は時間が足りず2回行くことになった。縄文展ほどではないにしろかなり混雑していて、しかもほぼ大人といういかにも文化施設感やばいみたいなw


藤田嗣治の存在自体は、戦後戦犯の疑をかけられてフランスに帰化し洗礼を受けたってことしか知らず、絵もどこかの百貨店のポスターで見ただけだったんだけどこんなにも魅力的な絵だったなんて…


初期はいかにも日本の西洋画家らしく最初の妻の絵なんかは黒田清輝の影響受けてるだろうなって素人でもわかるくらい。(もちろんうまい。そして実際には藤田の黒い陰影は黒田に悪い例として取り上げられたらしいとどっかて見たけど…)

そこからキュビズムを経て段々と彼の代表作らに近づいて行くんだけど、まず面白いなと感じたのは風景画の地面。なんかアリ地獄みたいに画面外の中央に向かって砂が吸い込まれていくようなグニャグニャした地面がなんか面白い。パリの街並みの暗い絵も初期宗教画のところにある風景画もなんか地面が面白い。こっくりと重くて濃い色にのっぺりとした画面はセザンヌを思い出す。

そして金箔に黒く墨?を重ねた地の前で踊る女性達の絵。結構最初の方なんだけどこれでグッと掴まれてしまった。当時、他国出身でフランスにいる画家の間で自国的なものを取り入れるみたいなのが流行ったらしいんだけど、女性達の同じモチーフを繰り返すような姿からしても間違いなく琳派を意識したんだろうな。でも自分的には琳派以上にクリムトとの親和性を感じてなんか興奮してしまったんだよね。クリムト琳派の影響受けてるから当たり前じゃんな話ではあるけど、藤田のそれは西洋人が琳派を取り入れたのと近い感覚。日本画家の琳派的表現とはなんか違う。

で、この後は静物画を挟みつつ(個人的に薔薇の絵がお気に入り)乳白色の裸婦像にどんどん近づいていく。細い墨に白い肌は変わらないけど、時が経つほどより滑らかで陰影が陶器のようにつるんとした白い肌にうまく溶け込んでいくから明らかな上達が感じられて楽しくなる。

そのなかで気に入ったのは銀箔の地の前に横たわる青いワンピースの女性の絵。オリエンタルな雰囲気の身なりというだけでも裸婦が続いたあとだとなんだか新鮮だし、肌の質感も化粧をしたような粉っぽさのある感じとほのかな赤みが人肌の温度を感じさせて美しい。
ここを過ぎるとガラリと雰囲気が変わって熱気に満ちた色使いに驚き。そしてここの展示が一番好みだったな。
中南米への旅行がそうさせたのか何か心境の変化があったのかわからないけど、どことなく物憂げなあるいは気怠げな雰囲気の白い肌の女性達は影を潜めて生気を帯びた現地の姿が前面に押し出されてくる。それがすごくいい!娼館の絵なんかは色もギラついて下品さすら感じるような画面の熱気が癖になる。それからラマ?アルパカ?と現地人の絵。こちらを真っ直ぐに見る女性の眼差しの強さ、人々の浅黒い肌から感じられる力強さ。こういう絵も描けるのかと驚いたものだけど、今思うと原点に戻ったような部分もあるのかも。初期の自画像の目の鋭さというか強さに通じるところがあるかもなー。
そしてこの画面から発せられる熱気・力強さがアッツ島玉砕に繋がってくるんだなあ…

という感じで最後のフロアへ。
まず目に飛び込んでくるのは、サイパン島同胞臣節を全うす。そしてすぐにアッツ島玉砕。中南米〜帰国中の力強い画風と豊かな表情はそのままなのに、色味を極限まで押さえただけでこれまでの空気とは全然違う雰囲気。戦争に批判的な画家の描くような体制批判色の強い感じや生々しさは全然なくて、敵味方無く戦った人々と紳士に向き合う姿が見て取れるようなあるいは犠牲者の鎮魂を願うような美しい絵。アッツ島玉砕の命をかけた人々の生の一瞬の激しさと、サイパン島〜の最期の祈りがちょうど動と静の対比になってお互いをより高め合うように見える。藤田嗣治の集大成と言ってもいいくらい完成されていて、もうほんとにただ見てとしか言えない。

この2つの大作のあとは春がきたようにまた鮮やかな色彩や乳白色の女性たちが戻ってくるんだけど、戦前の乳白色の女性たちに比べて表情があるというかなんとなく柔らかな雰囲気があって好き。その後はドールハウスを思わせる緻密な描きこみや人形のように無機質な子どもの姿等藤田の嗜好を反映した絵と宗教画が紹介されておしまい。中南米旅行〜戦争画の熱量を感じたあとだとややエネルギー不足に感じてしまうかな。細かな描きこみは見ていて面白いし、気楽に楽しめるのは有難くもあるけど。

今年一番は山種美術館琳派展かなーと早々に思ったけど、藤田嗣治展はそれ以上によかった。このあとの京都展示は京のかたな展と期間が被っているので、また行ってしまいそうだ。
まだまだ私の知らない素晴らしい作品があるのだなと強く感じた展覧会でした。

刀剣と甲冑展(致道博物館)+旅行記

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はい、鶴岡行ってきました。


お目当ては加茂水族館と致道博物館。

天候不良のせいもあってか、朝一のバスで行った加茂水族館は比較的見やすくてとても楽しめた。


クラゲって可愛いんだね…


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からのクラゲアイスw


館内展示とアシカ・アザラシショーをたっぷり楽しんだあとは市内へ。



丙申堂も素敵だったけど釈迦堂は更によかった。小さい建物ながら襖を開けた状態の開放感や庭の広さがとても好き。


それから致道博物館へ。

致道博物館自体は一昨年に来たのだけど、建物の修繕?改築?終わったんだね。すごく青いなあって…

早速お抹茶セットをいただきました。


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茶室独り占め!ゆっくり楽しませていただきました。

一息着いたあとは蛍丸を鑑賞。夏に関鍛治伝承館で見たものと随分刃文が全然違うような…と思ったら所蔵元が違うみたい。

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他の展示もざっくりと見て刀剣展示へ。


・短刀 吉光(名物 信濃藤四郎)

肌詰む小板目で深く濃い地鉄、太めの直刃は冴えるけど刃縁はややふわりとする。一見はっきりとした直刃だけど、このささやかなふわっと感が刀剣春秋にある匂い口締まりごころなんだろうか。二年前に見たときもきっと綺麗だと思ったんだろうけど、やっぱり綺麗だったわー。まだまだ初心者だし見方も合ってるか怪しいところだけど、刀を見ることに慣れてくるとより美しさに気づける気がして楽しい。

・刀 月山

平造り、直刃調乱れる刃文に砂流しかかる。よく鍛えられた綾杉肌と棟側に杢目連なる。肌の波状に写り?有。

この月山は本当にいい月山!徳美の保昌の話でも触れた気がするけど、柾目と綾杉肌は綺麗に肌目がでていると本当に綺麗なんだよね。この月山も本当に綺麗に波模様が幾層にも連なって、しかも棟よりの杢目の丸も本当に綺麗に出てる。東博にもちょうど月山の刀が出てたかと思うけど、全然別物と言わざるを得ないほど(実際時代も刀工も違うけど)肌模様が美しかった。そして刃文の下の地鉄が光の反射で波模様にキラキラするの可愛い。


そのほかもゆっくり見て楽しませてもらった。行光の鞘とか新しいものだと思うけど黒漆に華やかな蒔絵の松がめちゃくちゃかっこよかった!点数こそ少ないけれど優品ばかりなので満足度高くて嬉しい。

これでnhkの撮影準備とかいう邪魔が無ければもっとよかった…撮影自体は閉館後なのになんで開館中に大風呂敷広げて準備するのかそういうところが嫌われるんですよ。


そんな感じで最後にケチついたのでモヤモヤが残ったけど、観光自体は楽しめるものでした。

加茂水族館はレンタカー借りてもう一回行きたいわ。

8月に行った美術展

・落合芳幾展(太田記念美術館)

芳年の兄弟弟子で、芳年同様に血みどろ絵が有名らしい。芳年に比べて構図の大胆さや画面の迫力に欠けるかなと個人的には思うけど、2点の肉筆画はとても良かった。


藤田嗣治展(東京都美術館)

なんかものすごくこんな絵見たいなって気分になってて、見たい絵を見られた満足感を久しぶりに味わった美術展だった。肉感的な体と陶器のようにつるんとした白い肌の女性はヴィーナスを連想させる神秘的な雰囲気。個人的には代表的な乳白色の女性たちもいいけれど、中南米旅行中の鮮やかで熱気の伝わってくるような絵も好みだなー。娼館のいかにも下品な感じの色使いや荒っぽい雰囲気の絵とかすごくいい。


・縄文展(東京国立博物館)

一目見てスイーツデコやんこれって印象を持ったんだけど、なんというか日本人のゴテゴテ好きってこの時代から変わってないな…って笑

同時期に他国で作られた土器の展示なんか見てると、比較的どこもツルンとしてるんだよね。陸続きだし伝播してくうちに似たようなものになるってのもあるんだろうけど、ゴテゴテした縄文土器はなんか独特。中後期になってほかの地域同様にツルンとしてくるけど、それでもダイナミックな雰囲気はあるし妙に凝った小皿なんかもあってそれがまた可愛い。日本独自の感性って脈々と受け継がれてきたんだなーと楽しめる展示だった。すっごく混んでたけど。



さて来月はお待ちかね、京のかたな展なんでちょっと頑張らないと。最推しの描き下ろしもあるんで嬉しさ半分、混雑の憂鬱半分。はなからまともに見られるとは思ってないけど、きついオタ話で騒がれるのは嫌だなあ…それと東山魁夷展も京都で見られそうなんでそっちも楽しみ!山種美術館の企画も楽しみにしてるし、9月は美術館たくさん行きたいなー


名刀紀行(徳川美術館)

台風直撃の最中、名古屋行ってきた。

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目当てはもちろん徳川美術館の名刀紀行。国宝の包丁正宗をはじめ館所蔵の刀剣数十口が展示されるので、楽しみにしてたんよね。そして秋の京博に出展予定の後藤藤四郎・鯰尾藤四郎が展示されるということで、もうこれは行くしかないだろうと!京博でまともに見られるとはとても思えないからね…堪能するなら今しかないというわけで2日間徳美に篭って見てきた。


それにしても一室にズラーっと刀剣が並んでいる様は圧巻。刀剣展いくつも行ってるけど、入った瞬間のあのドキドキ感は毎回なんとも言えない。
名刀紀行ということで地域ごとに展示を纏めてるんだけど、量的には山城・相州(というかほぼ正宗)・備前>美濃>大和だった。いつもながら大和物の少なさよ…五箇伝といいつつ大和美濃はおまけだからね仕方ないね…講演でも悲しみを背負ってたしね…


今回特に好きだなーと思ったのは、新藤五国光の短刀・保昌の短刀・一庵正宗(短刀)。国光はもう、まごうことなき国光ですよあの地鉄と直刃の美しさ。一方であの細さのなかに金筋の光る刃中の面白さ。国光の短刀ってどこで見てもたいてい太刀を喰うほど美しいけど、徳美のも例に漏れず美しい…で、そのとなりにあっても負けてなかった一庵正宗。刃文というより絵画。直刃から始まって切っ先に向かうにつれポコポコ現れる刃文は近江八景とかにあるような湾を挟んで見える向こう岸みたいだし、光の当て方で現れたり消えたりする幅の広い写りは水面が揺らめくみたいで、思わずいい絵だなーと思ってしまう。雲や雪みたいだと思う刀は数あれど、絵画的情景を形作る刀ってのはそう無い気がする。
そして、吉光・国行・国俊・正宗・助真光忠正恒を見た後に見ても「あ、綺麗」と思わせたのが保昌。講演で大和物は(おそらく見栄えを)考えてないとか散々な言われようだったけど、考えてなくてこれ作れるなら奈良人のセンス相当完成されてるんじゃないかな。お寺仏像作りまくったからかな。細かく言えば帽子が焼きつめだからダメとかあるかもしれんけど、あんなに綺麗に柾目だけってそうそう無い。綾杉肌と柾目肌に関しては他が混じると一気に崩れるけど地鉄が綺麗にそろうと本当に美しいと思うんだよなあ。刃文も綺麗な直刃に地鉄がからんで砂流しかかる様が面白いし見てて飽きない。

特に気に入ったのはこの3つだけど他にも正恒や国俊、有俊の太刀がよかった。あと助真ね!やっぱり助真いいなー、はい派手!みたいなのたまらん。
そういや南泉一文字もよかった、肌詰んで冴えるから華やかな刃文がいっそう引き立つ。細身で長さもそんなになくて、派手デカな助真と並ぶと可憐な感じ。そして拵えがなんかめちゃくちゃ可愛い!金黒だから色だけだと豪壮なんだけど、名前が霰だからか漆のお盆に小粒のかき餅敷き詰めたみたいなんよ。なんかそれがめちゃくちゃ可愛い。
それから後藤藤四郎はさすが国宝の貫禄というか、吉光の作風の広さにただただ驚き。ちょうど東博で厚藤四郎の展示してるから金曜に見たんだけど、どちらも大振りで詰み肌ながら刃文でここまで印象変わるのかと。しかもこの刃文、国行みたいな直刃調の上品な小互の目じゃなくがっつり互の目で足も深いし帽子まで乱れこんでくるから余計に印象強い。吉光ってたまに?な刀もあるけど厚と後藤を見てしまうとやっぱり短刀の名手なんだろうなあ…。

そんな感じで目一杯堪能!夏休み中ながら意外と混んでなくてゆっくり鑑賞できたし、常設でいかにも貞宗らしい物吉貞宗や、企画展?で鯰尾藤四郎と華やかな長光、まさかの本作長義まで見られて得した気分。歴史苦手だから書状はあんまりわからなかったけど、秀頼の和歌が和歌自体はもちろん紙も筆跡もあまりに美しくてなんかそれ見ただけで行った価値あった。

期間中にもう一回行けたらいいなー